灰猫の竃好きの火嫌い II



 昔、粗相で小火を出した丈でも火止めの刑罰も有った。お湯を他家から分けて貰い、糒をふやかして、漬物等の質素な食事と成る。風呂は銭湯は有った
ので良かったが学生は大変で有る。勉学するに蛍の光や窓の雪の苦学が強いられた。極寒の冬は大変で有る。炬燵が使え無い、雪夜の晩は灰猫も大変で有る。人の枕元に遣って来て何やら鳴いて人を起こす。厚かましい飼い猫は顔の上に乗ったり、首に巻き付いて、生首巻で有った。初雪や猫の足跡梅の花、初雪や二の字二の字の下駄の跡、下駄を履かぬ猫には辛い冬で有る。冷たい土間に堪り兼ね、歩き廻ってる人の足の上にも載りたがる。日頃は抱かれるを嫌う猫も我慢の為時でも有る。其の抱き猫で門先に出るともがいて下りて仕舞う。訳が有るので有る。南国生まれの猫は夏は天国で有る。其の猫が何故か蚊帳の中に入りたがる。蚊に喰われるのを嫌う為では無い、蚊帳の中が安心出来る為でも有る、昔は雷が鳴ると蚊帳の中に逃げ込んだもので有った。猫が人の腹の上に乗りたがるのは不思議で有る。座敷で犬の字に成って寝て居ると、猫が何処からともなく遣って来て、片足を腹の上に乗せて何やら鳴いて起こす。黙って載ると叱られるのが判って居るので有る。猫に腹を探られるは心外でも有る。或る日の事枕元で猫が喉をゴロゴロ鳴らせて居た、目に涙を浮かべて居た、猫も時に泣くので有った。其の猫が生んだ子猫を咥えて寝床に入れようとした。人の寝床が一番安心な場所で有ったので有る。法事の日に親戚連中が座敷で車座に成って世間話をして居たら猫が子を咥えて巣箱から連れ出した。生き物が異種の人間に我が子を触らすは異例の事で有る。本能も自分の種の繁栄丈を望まぬ事を猫から教わった。雀が燕の雛に餌を運んだ事例は有る。

 電源開発(Jパワー)が青森県大間町に建設中の大間原発をめぐり、北海道函館市の市民団体らが国とJパワーを相手取り、建設の差し止めなどを求めた訴訟の判決が19日、函館地裁であった。浅岡千香子裁判長は「建設の見通しが立たない中で、現時点で重大事故の危険性を認めることは困難」などとして、原告の請求を棄却した。

 訴訟は津軽海峡を挟んで最短18キロにある函館市の市民団体「大間原発訴訟の会」(竹田とし子代表)を中心に2010年7月に提訴。商業炉としては世界で初めてプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を全炉心で使う「フルMOX」の安全性や原発周辺の活断層の有無などが争点になった。

 原告側は「フルMOX」は原子炉制御棒の効きが悪くなるなど、「安全性が証明されておらず、危険」と主張。また、原発敷地の北約10キロ沖に長さ約40キロ以上の活断層があるほか、過去に噴火した「銭亀カルデラ」と呼ばれる海底火山などがあるが、影響が考慮されていないと指摘した。

 Jパワー側はフルMOXの特性は炉心の設計などに適正に考慮されていると反論。海上音波検査などで周辺に活断層はなく、「銭亀カルデラ」も過去の記録などから再噴火の可能性はないと主張した。

 東日本大震災後、建設中の原発への司法判断は初めて。大間原発をめぐっては、この訴訟とは別に函館市が14年4月、自治体として初めて原発建設の差し止めを求める訴訟を東京地裁に起こし、審理が続いている。【山田泰雄】

 【ことば】大間原発

 Jパワーが青森県大間町に建設している改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)で、出力は国内最大級の138万3000キロワット。原発の使用済み核燃料に含まれるプルトニウムを再利用する国の核燃料サイクル政策の重要施設で、2008年5月に着工したが、東日本大震災後に工事を中断。Jパワーは24年度の運転開始を目指すが、原子力規制委員会の新規制基準の適合性審査が長びき、運転開始の見通しは立っていない。

   毎日新聞記事 大間原発訴訟 函館市民団体ら原告の請求を棄却より